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●林信行氏による「iPhoneが切り開くビジネスの未来」が特別セミナーとして開催された。
まず最初に「ビジネスチャンスとしてのiPhone」というタイトルで、約1週間分のテレビ番組が丸ごと録画できる「SPIDER」を使用して、iPhoneが発売開始されてから248の番組で取り上げられたと説明した。また、自身も23の媒体から取材を受け、非常に注目されたと思うと説明した。
暮らしへの影響という観点間から見ると、フルブラウザー搭載をうたう携帯電話が数多くあるが、会社から来たメールに記述されたリンクがちゃんと表示される携帯電話のフルブラウザーというのは、ほとんどなかったと指摘した。また、林氏の体験として、海外の友人宅に泊まったとき、リビングで食事をみんなんで楽しんだ後、パソコンのメールを見るために友人は、パソコンがある書斎にこもってしまった。ところが今は、iPhoneを手にリビングから離れることが無くなったというエピソードを紹介した。
そんな事は携帯電話でも今まで出来たと言う人もいるかもしれないが、携帯電話のメール機能というのは、キャリアから指定されたメールアドレスでしかメールが出来ない。しかし、iPhoneはパソコンで使っているメールアドレスをそのまま利用することが標準で搭載されている。そこが大きく違うと説明した。
シーンを変えて、例えば、キッチンで冷蔵庫の中身を見て、そこにある食材をGoogleで検索すると、その食材にあったレシピを探すことが出来る。また、セミナー中に正確な情報が欲しいと思ったとき、瞬時に情報を探せると紹介した。
iPhoneには、App Storeで得られるアプリの他に、Webアプリというのも多数存在する。GetLeaflets.com、NHK,、asahi.com、ナタリー、Modiphiなど続々と増えていてきており、実は、これらWebアプリは、「Webクリップブックマークアイコン」として、トップ画面上にアイコン形式で登録させることが出来る。これは、決してWeアプリを、他のアプリと差別化してるわけではなく、同一に見ている証拠だと説明した。
自身がアドバイザーを努めるModiphiの使い方を紹介し、地域新聞を集めた「みんなの経済新聞ネットワーク」のRSSフィードや、東京のアート・デザインイベントの情報を発信する「TOKYO ART BEAT」のRSSフィードを登録している。それらは読むためではなく、今自分が立っている場所の近くで何が行われているかを知るために使っている。こうした事から、iPhoneは、情報獲得からアクションに革命をもたらしたといえると説明した。そして、多数のApp Storeで提供されているアプリを紹介した。
周辺業界への影響として、業種によって変わるiPhoneの見え方を説明した。携帯業界では、Web 2.0時代のケータイ、コンテンツ主導携帯へのシフトを加速化させる。パソコン業界では、Appleがパソコンを発表してから、ウィルスであるとか様々なしがらみや影響によって変遷をたどってきたのとは違い、このiPhoneは「0からの再出発」となるとし、3つ目のメジャープラットフォームと呼べるのでないかと述べた。ゲーム機業界では、インターネット時代のゲーム機と呼べ、また、半導体業界、Webビジネスにおいても大きな影響をもたらしていると説明した。
携帯電話業界への影響を詳しく調べると、従来のキャリア主導型から端末開発主導型を実現した。Appleが革命を起こした根本的な部分は、キャリアが売りたい携帯電話を作ったのではなく、使用する側が欲しいと思った携帯電話を作った。ただそれだけのことだと述べた。
また、キャリアだけが利益を得られる「i-mode」といったビジネスの終焉が見えると予言した。それは、メーカーへの影響という観点から、春夏モデル、秋冬モデルという買換え需要になりたっていたビジネスが鈍化したことにより、携帯端末を開発するメーカーが利益を得られなくなってきて、撤退を表明するメーカーが出てきているのに対し、Appleのビジネスは、携帯端末を販売するだけで利益を得るだけでなく、サポートの販売、iTunesの販売、StarBucksとのコラボレーションによる利益獲得、App Storeなど常にお金が落ちる仕組みになっていると指摘し、そうした利益モデルは、どのメーカーも実現出来てはいないと説明した。
Appleは、このiPhoneによって、1000万台で世界シェアの1%を目指すと発表している。日本の携帯電話の販売台数は世界のたった5%のシェアしかない。台数的にみると、シャープの携帯電話販売台数に近い台数を目標としている。それは少ないとも多いともいえない。世界シェア37%を持つNOKIAは、世界150ヶ国で販売しているが、それは107機種で実現している。ところがAppleは、iPhoneという1種類の製品だけで戦おうとしている。それは凄いことだと説明した。
また、携帯Webブラウザのシェアに関して、iPhoneのSafariのシェアは1%だけど、そのSafariに使用されているWebKitというエンジンは、Googleの「Android」などにも採用されていて、WebKit陣営という見方をすると、世界の携帯電話の71% を占めていることになると説明した。
ゲーム業界への影響として、SEGAが販売する「スーパーモンキーボール」は、アメリカのApp Storeで9.99ドルで販売されているが、Nintendo DS版は19.99ドルで販売されている。これは、カートリッジやパッケージなど余分なコストがかかるためだと指摘した。また、iPhoneには無いものとして、カートリッジ、コントローラを上げ、逆にゲーム端末には無いものとして「無料アプリケーション」だと説明した。
iPhoneが生み出す新しい世界として、万能リモコンを上げた。従来の携帯電話には「Salling Clicker」というiTunesをコントロールアプリケーションがある。これは、Nokiaの携帯端末で使用すると、Bluetoothで接続するもので、Bluetoothのエリアから離れると、人間が離れたと判断し、iTunesを一時停止してくれる。それは、携帯電話は常に持ち歩く物だから、そうした判断がされているのだとおもうと説明した。また、muPassや、ソフトバンクモバイルのAQUOSと連携する923SHなど、その利便性は計り知れないと述べた。
ローカル販促サービスとして、GENOCO by Phil Luに「iPhone + Starbucks」という架空のコンセプトモデルが紹介されている。これは、iPhoneであらかじめ欲しい商品を決めて、StarbucksのカウンターでQRコードを読ませるとオーダーが直ぐに出来るというものだが、実は、このアイデアは、すでにAppleが特許をとっていると説明した。
次のテーマとして「ビジネスの道具としてのiPhone」について説明した。iPhone 3Gを発表した時、Etnterprise市場も視野に入れていることを発表した。実は、これは、すでに発売されていた初代iPhoneを使い、FORTUNEのトップ企業500社のうち35%トップ企業、銀行のトップ企業5社、セキュリティ企業5社、航空会社、有名大学などとベータテスターを行っていた事を明かしている。ちゃんと使えるかどうか、予め調査した上で提案しているのであって、信用を得た上で始めるようとしていると指摘した。
企業導入においては、Configuration Profileを使用することで、Exchangeの設定、無線LANの設定、VPNの設定など、企業内の設定を管理することが出来る仕組みを提供することになっている。また自社に導入するに当たっての情報として「エンタープライズへのiPhone導入。」にあるチェックリストを見る事で確認が出来ると説明した。
評価の厳しいことで知られるガードナーが「iPhoneは最低必要条件を満たす」と評価していることから、エンタープライズおいてもちゃんと使えるだろうと説明した。また、小規模な環境向けに「iPhone Cofiguration Utility」が無償で配布されていることも紹介した。すでにUSのApp Storeでは、Oracleの「Oracle Business Indicators」などといったアプリも無料配付されていると説明した。
ここで終了予定時間より早く終わったため、時間が余った時用の紹介として、iPhone 3Gのユーザーインターフェイスについて説明した。iPhone 3Gの素晴らしさは、タッチインターフェイスだけのように思われがちだが決してそうではないと述べ、日本語入力に関して、日本の携帯電話に女子高生打ちというのがある「ぉはよう」というのが良い例で、日本の携帯電話のカナ入力は、ひらがなの行を探す方法によって文字を探す。あ行であれば「あ、い、う、え、お、ぁ、ぃ、う、え、ぉ」という順番で連打することで文字を探す。その機能に逆打というのがあり、「あ」と打って「米」を押すと、表示順が逆になる。その最初が「ぉ」なわけだが、それが可愛いという理由で頻繁に利用されている。
その事をしっかり調査したのかどうかわからないが、iPhone 3Gの日本語かな入力では、小文字が選択出来るようになっている。ちょっと考えてみて欲しい。Macのキーボードに「小文字」というキーはない。iPhone 3Gは物理的なキーボードを廃した事で、シーンにあった入力モードが選べるようになっている。これは革命的なことだと説明した。
ドン・ノーマンは「ユーザーインターフェイスなんてものは無い方が良い」と話した。iPhone 3Gには物理的なボタンは4つしか備わっていない。あとは全てソフトウェアで実現している。それらは、画面サイズに収まっている必要性がなく、必要な機能を必要としているシーンで提供できるという特徴を持っていると説明した。
また、iPhoneには、環境の変化に合わせて画面を調節する「環境光センサー」。iPhoneを持って耳に近付けると同時に、近接センサーがディスプレイの電源を切ってバッテリーを節約し、画面のボタンに誤って触れるのを防ぐ「近接センサー」、iPhoneの傾きを検知する「加速度センサー」が装備されている。これらは、それぞれの機能としての役割と同時に、これらを組み合わせる事で、ユーザーが、どんな場所で何をしようとしているのかを判断する複合的な役割も持っていると説明した。
また、iPhone 3Gに付属するヘドフォンのマイクは、リモコンの役割も果たすが、機能に特化したボタンが用意されてるわけではなく、クリッックとダブルクリックの2種類によって、用途が変わるようになっている。また、iPhoneをヘドフォンで音楽を聞きながらメールを送ると、メールを送ったことを知らせるジェット音が再生中の音楽に合わさって流れる。つまり、iPhoneのユーザーインターフェイスというのは様々な革命をもたらしていると説明した。
最後に、林氏は、iPhoneをTIMES誌が評した言葉「The phone that has changed phones forever.」(iPhoneは電話のあるべき姿を永遠に変えた)を紹介して講演を終えた。
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